尾八重神楽(おはえ神楽) 西都市

▶ in 神楽好き(カグラー) posted 2007.11.23 Friday / 23:05

 尾八重(おはえ)神楽は、九州山地の奥深く、山々に抱かれた西都市の尾八重地区に伝承されている夜神楽。
宮崎県指定無形民俗文化財にも指定されています。
尾八重神楽は尾八重神社の祭日に11月22日の夜から23日の朝まで奉納されるもので、近年、尾八重神社隣に位置する現在は廃校となっっている尾八重小中学校跡の運動場で「しめ上」から「舞上」までの33番を夜を徹して舞われます。

 過疎が進み、昭和57年に、ついに廃校となってしまった尾八重小中学校の校舎、体育館は神楽の時には休憩所や仮眠所等として利用されていましたた。
少しの間、校舎の廊下を歩いてみた。
目を閉じると、こののどかな谷あいの学校に子供達のにぎやかな声が聞こえてくる気がした。
まるで四半世紀も前、その時から時間が止まっているかの様な校舎の中、ふるさとへ帰って来た時の為に、あえてそのままにしてあるのであろう、壁にかけられた賞状や絵などがとても印象的であった。

過疎の波はどうにもならない・・・
ここでも現実を垣間見る。
一年に一度、神楽の時、ふるさとへ帰って来る人も多いと聞く・・
実はこの神楽を舞っている殆どの方も尾八重を出て他所に住んでいる方であり、神楽を舞いに毎年帰って来ると聞く。

 尾八重神楽 神庭 

 尾八重神楽 宿神

デジタルカメラの動画機能での撮影ですが・・
ストリーミング動画(FLV形式へ変換)を掲載してみました。
右下の音量ボタンを予め調整の上、左下再生ボタンを押してください。

 

上に画面が出ない場合には→クリック

ゆったりと流れるような動きの、地元の氏神様の“降居神楽”です。
この辺りは山を隔てたところの「銀鏡神楽」と共通する部分もあるような気がします。

途中聞こえるブホォーーという音は法螺(ホラ)貝の音です。
実はこれ、若き乙女が吹いてたりします。
 尾八重神楽 神和(かんなき)

 私が今回の神楽で特に印象的だったのは、番付18番「神和(かんなき)」
当日頂いた資料によると、「大神様ともいい、下照姫の舞いで天若彦を慰め祀る神面の舞い」とあります。
女装束で、ゆっくりと円を描くように舞う姿は「清め」「鎮め」などの要素をもつようですが、とても優雅でした。
一見、雰囲気的には高千穂神楽等のウズメに似てはいますが、この前の17番で舞われる「ばんぜき」がウズメのようです。

この舞いは以前、見た記憶がある。ドキュメンタリー映画「寒川」の事を過去にこのブログで書きましたが、この映画の中で、かつて寒川でも舞われていた神楽を28年ぶりの再現に協力したのがこの「尾八重神楽」の舞人であり、神楽の中でこの「神和(かんなき)」の場面もありました。


続きを読む>>

尾八重神楽(おはえ神楽) 西都市

▶ in 神楽好き(カグラー) posted 2007.11.23 Friday / 23:05

 尾八重(おはえ)神楽は、九州山地の奥深く、山々に抱かれた西都市の尾八重地区に伝承されている夜神楽。
宮崎県指定無形民俗文化財にも指定されています。
尾八重神楽は尾八重神社の祭日に11月22日の夜から23日の朝まで奉納されるもので、近年、尾八重神社隣に位置する現在は廃校となっっている尾八重小中学校跡の運動場で「しめ上」から「舞上」までの33番を夜を徹して舞われます。

 過疎が進み、昭和57年に、ついに廃校となってしまった尾八重小中学校の校舎、体育館は神楽の時には休憩所や仮眠所等として利用されていましたた。
少しの間、校舎の廊下を歩いてみた。
目を閉じると、こののどかな谷あいの学校に子供達のにぎやかな声が聞こえてくる気がした。
まるで四半世紀も前、その時から時間が止まっているかの様な校舎の中、ふるさとへ帰って来た時の為に、あえてそのままにしてあるのであろう、壁にかけられた賞状や絵などがとても印象的であった。

過疎の波はどうにもならない・・・
ここでも現実を垣間見る。
一年に一度、神楽の時、ふるさとへ帰って来る人も多いと聞く・・
実はこの神楽を舞っている殆どの方も尾八重を出て他所に住んでいる方であり、神楽を舞いに毎年帰って来ると聞く。

 尾八重神楽 神庭 

 尾八重神楽 宿神

デジタルカメラの動画機能での撮影ですが・・
ストリーミング動画(FLV形式へ変換)を掲載してみました。
右下の音量ボタンを予め調整の上、左下再生ボタンを押してください。

 

上に画面が出ない場合には→クリック

ゆったりと流れるような動きの、地元の氏神様の“降居神楽”です。
この辺りは山を隔てたところの「銀鏡神楽」と共通する部分もあるような気がします。

途中聞こえるブホォーーという音は法螺(ホラ)貝の音です。
実はこれ、若き乙女が吹いてたりします。
 尾八重神楽 神和(かんなき)

 私が今回の神楽で特に印象的だったのは、番付18番「神和(かんなき)」
当日頂いた資料によると、「大神様ともいい、下照姫の舞いで天若彦を慰め祀る神面の舞い」とあります。
女装束で、ゆっくりと円を描くように舞う姿は「清め」「鎮め」などの要素をもつようですが、とても優雅でした。
一見、雰囲気的には高千穂神楽等のウズメに似てはいますが、この前の17番で舞われる「ばんぜき」がウズメのようです。

この舞いは以前、見た記憶がある。ドキュメンタリー映画「寒川」の事を過去にこのブログで書きましたが、この映画の中で、かつて寒川でも舞われていた神楽を28年ぶりの再現に協力したのがこの「尾八重神楽」の舞人であり、神楽の中でこの「神和(かんなき)」の場面もありました。


続きを読む>>

今年も宮崎の神楽が始まりました。

▶ in 神楽好き(カグラー) posted 2007.11.20 Tuesday / 22:42

 高千穂神楽 タヂタラオ

 高千穂神楽 戸取の舞

今年も宮崎県下の神楽の季節が始まりました。

高千穂の夜神楽

今週11月22日23日は高千穂神社で「神話の高千穂夜神楽まつり」 が開催される。
22日(木)午後6時†午後10時 23日(金)午前10時†午後11時

今年度の高千穂の夜神楽は既に先週より押方で始まっております。
日程は下記。

【11月】
  • 17日(押方)籾崎集会場

  • 22日(上野)下組研修集会施設(上野)興梠光一方(下野)中川和久方

  • 24日(上野)黒口研修施設(押方)芝原神社(岩戸)土持陽宏方(向山)飯干美智子方

  • 30日(押方)ほたるの里ふれあい活性センター

【12月】
  • 1日(三田井)下川登公民館(岩戸)佐藤済雄方

  • 8日(押方)あららぎの郷(岩戸)野方野ふれあい四季彩館

  • 15日(三田井)戸高畩志方

【1月】
  • 12日(河内)甲斐富士生方

  • 19日(向山)甲斐時守方(下田原)下田原ふれあい館

  • 26日(向山)黒仁田活性化センター

【2月】
  • 10日(上田原)興梠京一方

椎葉神楽

高千穂の夜神楽同様、国の重要文化財にも指定されております椎葉村の神楽(昼間含む)も11月22日から12月24日にかけ舞われます。

【11月】
  • 22日(栂尾)栂尾神社

  • 23日(財木)財木神社=昼間(畑・鳥の巣)畑・鳥の巣公会堂=昼間

  • 24日(栗の尾)栗の尾営農センター=昼間・地元のみ

【12月】
  • 1日(不土野)不土野集会センター(向山日添)峰越の館(獄の枝尾)綾部正哉方

  • 8日(古枝尾)古枝尾集会センター=13時†夜中まで(上椎葉)椎葉裕行方(尾前)尾前神社

  • 15日(矢立)矢立集会センター=17†21時(十根川)十根川神社(向山日当)向山日当集会センター

  • 16日(大藪)大藪集会センター=神事のみ

  • 23日(追手納)追手納公民館

※丸カッコ内は神楽名 
 以上の日程は2007年11月13日付毎日新聞記事より一部引用した。
 日程は変更等ありますので下記のリンク先を参照。

▽△高千穂町商工観光課のまとめた高千穂の神楽の最新情報、詳しい内容はこちらで。
▽△椎葉村のまとめた椎葉神楽の最新情報、詳しい内容はこちらで。

銀鏡(しろみ)神楽(米良神楽)

西都市の銀鏡神楽は、毎年12月12日から16日まで行われる銀鏡神社の大祭で奉納されるもので、神々が降臨する神楽の舞等、神楽は12月14日夜†15日を中心に舞われます。
祭壇には、猪の頭(サチミタマ)がいくつも奉納され狩猟信仰が色濃い神楽であり、五穀豊穣・子孫繁栄の願いも込められた神楽です。
14日夜の神々の降居(おりい)神楽をはじめ、舞いは厳かそのもの。
15日のお昼頃の「シシトギリ」も銀鏡神楽で是非見ておきたい番付です。
銀鏡神楽も宮崎の神楽を語る上で、是非見ておかねばならない神楽の一つと私は確信します。

銀鏡地区は旧東米良村、現在は西都市となっております。

各神楽の予定は変更になる場合もありますので必ず事前確認を!

今回ここで紹介したものは「国指定重要無形民族文化財」に指定されている宮崎の神楽3つ 
 高千穂の夜神楽(高千穂町に伝わる神楽)
 椎葉神楽(椎葉村に伝わる神楽)
 米良神楽(西都市編入した旧東米良の「銀鏡神楽」単独指定)
宮崎県指定の無形民俗文化財としては、
 高鍋神楽(旧高鍋藩領の大神事など)
 尾八重神楽(西都市)
 船引神楽(清武町)
 諸塚神楽(諸塚村に伝わる神楽)
 西米良神楽(西米良村)があります。

実はこれとてほんの一部、宮崎県下には多くの神楽があり、毎年あちこちで舞われております。
(同じ日に複数の場所で舞われている為、「すべての神楽をくまなく見る為には10年近くかかる」と何かの本で読んだ記憶があります。)


続きを読む>>

今年も宮崎の神楽が始まりました。

▶ in 神楽好き(カグラー) posted 2007.11.20 Tuesday / 22:42

 高千穂神楽 タヂタラオ

 高千穂神楽 戸取の舞

今年も宮崎県下の神楽の季節が始まりました。

高千穂の夜神楽

今週11月22日23日は高千穂神社で「神話の高千穂夜神楽まつり」 が開催される。
22日(木)午後6時†午後10時 23日(金)午前10時†午後11時

今年度の高千穂の夜神楽は既に先週より押方で始まっております。
日程は下記。

【11月】
  • 17日(押方)籾崎集会場

  • 22日(上野)下組研修集会施設(上野)興梠光一方(下野)中川和久方

  • 24日(上野)黒口研修施設(押方)芝原神社(岩戸)土持陽宏方(向山)飯干美智子方

  • 30日(押方)ほたるの里ふれあい活性センター

【12月】
  • 1日(三田井)下川登公民館(岩戸)佐藤済雄方

  • 8日(押方)あららぎの郷(岩戸)野方野ふれあい四季彩館

  • 15日(三田井)戸高畩志方

【1月】
  • 12日(河内)甲斐富士生方

  • 19日(向山)甲斐時守方(下田原)下田原ふれあい館

  • 26日(向山)黒仁田活性化センター

【2月】
  • 10日(上田原)興梠京一方

椎葉神楽

高千穂の夜神楽同様、国の重要文化財にも指定されております椎葉村の神楽(昼間含む)も11月22日から12月24日にかけ舞われます。

【11月】
  • 22日(栂尾)栂尾神社

  • 23日(財木)財木神社=昼間(畑・鳥の巣)畑・鳥の巣公会堂=昼間

  • 24日(栗の尾)栗の尾営農センター=昼間・地元のみ

【12月】
  • 1日(不土野)不土野集会センター(向山日添)峰越の館(獄の枝尾)綾部正哉方

  • 8日(古枝尾)古枝尾集会センター=13時†夜中まで(上椎葉)椎葉裕行方(尾前)尾前神社

  • 15日(矢立)矢立集会センター=17†21時(十根川)十根川神社(向山日当)向山日当集会センター

  • 16日(大藪)大藪集会センター=神事のみ

  • 23日(追手納)追手納公民館

※丸カッコ内は神楽名 
 以上の日程は2007年11月13日付毎日新聞記事より一部引用した。
 日程は変更等ありますので下記のリンク先を参照。

▽△高千穂町商工観光課のまとめた高千穂の神楽の最新情報、詳しい内容はこちらで。
▽△椎葉村のまとめた椎葉神楽の最新情報、詳しい内容はこちらで。

銀鏡(しろみ)神楽(米良神楽)

西都市の銀鏡神楽は、毎年12月12日から16日まで行われる銀鏡神社の大祭で奉納されるもので、神々が降臨する神楽の舞等、神楽は12月14日夜†15日を中心に舞われます。
祭壇には、猪の頭(サチミタマ)がいくつも奉納され狩猟信仰が色濃い神楽であり、五穀豊穣・子孫繁栄の願いも込められた神楽です。
14日夜の神々の降居(おりい)神楽をはじめ、舞いは厳かそのもの。
15日のお昼頃の「シシトギリ」も銀鏡神楽で是非見ておきたい番付です。
銀鏡神楽も宮崎の神楽を語る上で、是非見ておかねばならない神楽の一つと私は確信します。

銀鏡地区は旧東米良村、現在は西都市となっております。

各神楽の予定は変更になる場合もありますので必ず事前確認を!

今回ここで紹介したものは「国指定重要無形民族文化財」に指定されている宮崎の神楽3つ 
 高千穂の夜神楽(高千穂町に伝わる神楽)
 椎葉神楽(椎葉村に伝わる神楽)
 米良神楽(西都市編入した旧東米良の「銀鏡神楽」単独指定)
宮崎県指定の無形民俗文化財としては、
 高鍋神楽(旧高鍋藩領の大神事など)
 尾八重神楽(西都市)
 船引神楽(清武町)
 諸塚神楽(諸塚村に伝わる神楽)
 西米良神楽(西米良村)があります。

実はこれとてほんの一部、宮崎県下には多くの神楽があり、毎年あちこちで舞われております。
(同じ日に複数の場所で舞われている為、「すべての神楽をくまなく見る為には10年近くかかる」と何かの本で読んだ記憶があります。)


続きを読む>>

イロハモミジの巨樹 宮崎県日南市北郷町

▶ in 風土、自然、他 posted 2007.11.16 Friday / 07:24

紅葉アイコン宮崎県日南市の北に位置する北郷町、
都城方面へ広渡川沿いの県道33号線を走ると、やがて広渡ダムが見えてくる。
広渡ダムを過ぎたところに川の向うへと渡る橋があり、その橋を渡りさらに進むとやがてレイクサイド公園が見えてくる。
レイクサイド公園を過ぎ、さらに
林道を2Km程度走る。

 やがて切通しにかかった時、周りの常緑広葉樹の中にそれは鮮烈な赤、見事なコントラストで姿を現した。

 イロハモミジ 北郷町 2

 宮崎一の大きさを誇るイロハモミジ(いろは紅葉)の巨木である。
 推定樹齢 200年 樹高 20m 幹周り 2.4m
 場所:北郷町槻の河内

 イロハモミジの巨木 北郷町

 このイロハモミジの巨木は北郷町の観光サイト、観光パンフレット等では少し紹介されているものの、県民でもあまり知る人はいないと思われます。
一昨年(平成17年9月)の台風14号の被害(土砂崩れ)で道は通行止めとなり、さらにこのイロハモミジ(いろは紅葉)は、殆ど人目にふれることもなくなってしまっていたようですが、今年、災害復旧も終え道路も整備され(若干狭いですがイロハモミジまでは舗装)、台風等で葉も散ることもなく、見事に紅葉しております。

宮崎県一のイロハモミジいうだけあり、写真で見る以上に傍で見ると大きく、巨木の持つ力を感じます。
付近は山に囲まれた谷あいで、14時前頃から日光が入って来ますので、その頃からが赤が映え綺麗です。
見頃は11月半ば頃までとの事ですから今週末頃まででしょうか・・。
県道33号線沿いの橋の付近から随所にイロハモミジの看板が出ているので迷う事はないでしょう。
見学駐車はイロハモミジの付近の道路沿い含め10台程度は可能です。
レイクサイド公園から歩いても60分位ですのでウォーキングにも最適です。

イロハモミジ(かえで科かえで属)
この一帯には、シイ・カシ・モミなど広葉樹林が広がる。
中でもこのイロハモミジは、県内唯一の巨樹、古木である。
イロハモミジと渓谷がかもしだす光景は実にすばらしい。
春は萌える新緑、夏の涼しげば緑、色鮮やかな晩秋の紅葉。
一年に3回楽しめる。 (現地案内板より抜粋)

200年前というと江戸時代、調べると、11代、徳川家斉(とくがわ いえなり)の時代のようです。
どのようにしてこのイロハモミジはこの地に生まれ、そして育ったのであろうか?
独特の形状のモミジの種は、どこかで落ち、川を流れてやってやがてこの地に来たのであろうか?
山越えで酒谷側へ行く道中、またあちらから来る途中このモミジの木は当時の人々の道中の目印として、四季折々の姿で昔から親しまれていたのであろうなぁ・・等、思いを馳せる。
200年もの間生きつづける事が出来ているのは、山に囲まれ台風等の風をしのげたこの独特の地形の恩恵もあるのかも知れない。
この木にまつわる歴史、エピソード等を知りたい気がした。

 実は以前、この山の向う側(酒谷側)からこの林道で山越えして来たことがあります。
夏頃、しかも道幅が狭い悪路なので運転に集中していた為、このイロハモミジの巨木に全く気が付かずに素通りしてしまったようです。
現在この林道が通行出来るかは未確認、いずれにせよイロハモミジの巨樹より向う(南側)は道幅も狭い離合ポイントも少ない未舗装悪路ですので、車高の低い普通の車はやめておいた方が良いです。


続きを読む>>

Photo Miyazakiメインページへ戻る

PAGE TOP