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ドキュメンタリー映画「寒川」

▶ in 映画・音楽等 posted 2007.02.02 Friday / 23:08

アーカイブ ひむかブログ OLD2
ご覧の記事は、2007年〜2013年頃に書いたブログ記事です。
「忘れられる権利」の観点より、コメント欄は全て非表示にしました。
記事中のリンク切れもあろうかと思われます。ご了承を・・。
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 宮崎市民文化ホールにて ドキュメンタリー映画「寒川」(さぶかわ)を観てきた。

宮崎県西都市街から西に約20キロ隔てた山間部にある「寒川」は高齢化などのため、18年前に廃村状態になった。
映画「寒川」はこの寒川地区を中心に、高度経済成長期の若者の流出、故郷を捨てた住民の悲しみ、森の存在の意義など追ったドキュメンタリー映画です。

 この映画「寒川」は1月22日に東京、中野区で上映後 西都市民会館で上映その後の宮崎市での上映でした。
県内各地で上映、3月以降には福岡や熊本など宮崎県以外でも上映されるそうです。

監督 籾木(もみき)良作 (初監督作品)
製作・配給プロジェクト 
m20 / ア・レックス エンタテインメント / シネマ散歩道
上映時間 1時間45分。

大人 : 当日1400円 前売り1200円(COOP等で販売)
学生・シニア : 1000円

 当日頂いた映画「寒川」の案内と上映日程(2月1日現在)のスキャン画像をPDF化したものと画像ファイルをUPしておきます。(画像は拡大します)

映画「寒川」の最新情報等は公式Webでご確認ください。

 寒川 01 寒川 02





撮影した写真など・・・作者のPR(^^)
Youtube MORIMORI



映画「寒川」の案内より引用記載

私は、村を捨てた。
通い慣れた小学校の砂利道も石段も、捨てた。
栗を拾い、柿を取り、きのこ狩りをし、風呂や、
ご飯を炊く薪を拾う、里山を捨てた。
隣の人たちが、村を出る。

もうすぐ宿もなくなるという。
小さい居酒屋もあったが、なくなるという。
神楽の舞いがある秋には、町から見物人が泊まる宿もつぶれた。
村の子どもたちの学校は、やがて廃校になるという。
子どもを持つ家庭は、やむなく町に出るという。
「どげんしても、この土地を、離れんとよ。」
私は、そのとき、村を出なかった。

ある年、台風の災害で、町と村を繋ぐ道路が壊れて、
車が通れなくなった。
村の特産物のひとつであった
「お茶や炭」が運び出せなくなった。
町まで買い物に行くには、
往復20キロ5時間も掛かり、
一日の辛い仕事になった。

村を訪ねて来る人は、
一週間に一人くらいの、寂しい村になった。
心あるマスコミの人々が、
この村の消えゆく悲しさを、訴えてくれた。
しかし、道路は良くはならなかった。
1年もすると、その人たちも来なくなった。
私は、夫と二人、
愛するこの村を出ようとは思わなかった。

村に昭和53年の春が来た。
以前の噂どおり、村の小中学校は廃校になった。

日本中が、
戦後最大の「バブル景気」に向かって走り出した。
それから日本中の人々は15年、
過疎の村、非効率の村、年寄りの村を願みなくなった。
村のあちこちは、蔦の絡まった荒れ果てた家と、
静けさだけが残された。

ある日になって、
私が生まれ、育ち、仕事をし、結婚をし、
子どもたちを育てたこの村を捨てようと思った。
夫と一緒にハンマーと金槌で、
70年以上も食事を作り続けてきた流しを、
何度も何度も叩いた。
二度と使えることがないように・・・。
1時間近くも、夫と泣きながら叩き続けた。
ふるさとを捨てるということが、
こんなにも悲しいことだとは想像もしなかった。

少しの便利さと、少しの憧れで
ふるさとを捨てた自分が一層愚かに見えるから。
ふるさとの思い出も決して語りたくない。

あの村には
「必要な分だけ山を切り開き、家を建て、
必要な分だけ山の幸を採り、
必要な分だけ田畑を耕し、
必要な日だけ町まで買い出しに出る」
という生活が見えるという。
私が本当は大切にしていたものなのに・・・。

今日、息子と娘たちに手紙を書こう。
「故郷は生きている」と。

8月に、こんなお婆さんでも、
一緒に村に連れて行ってくれますか?
茶畑のある寒川で、ため池の鯉に会えますか?

2006年6月10日 90歳

外は雨

宮崎市での今後の放映は以下

■宮崎市民文化ホール
2007年2月7日(水)
 (1)14:30開場【15:00開映】
 (2)18:30開場【19:00開映】
2007年2月8日(木)
 (1)14:30開場【15:00開映】
 (2)18:30開場【19:00開映】

宮崎県内では以下の開場等で予定されております。
最新情報、詳しくは公式WEBを参照してください。

■日向市中央公民館
■都城ウエルネス交流プラザ[ムジカホール]
■三股町立文化会館
■木城町農業者トレーニングセンター
■北郷町ふれあい交流センター
■串間市文化会館
■高鍋町中央公民館
■川南町文化ホール
■西米良村基幹集落センター
■延岡総合文化センター
■清武町ACOOP清武遊裕館
■日南市文化センター

 寒川 03

この映画はテーマ「海と都市の景観は、森が決める。」が示すように、戦後植林した人工林に手を入れない(入れれる状況ではないとりまく経済効率優先の切捨て社会環境)影響による水害の事等も大学教授の話や林業に携わる方々の話を交え取り上げているが、これらが寒川の過疎の事と重なる部分が映画からあまり感じとれず、寒川と同時進行で2分し、全体として見た時、今ひとつまとまりのない感じもしないでもなかった。
ドキュメンタリー映画として見た時、台風被害の映像等も実際の惨状を描ききれていないと思うし、いっそ寒川に絞ってしまった方が良いのかも?とも・・・。
あわせて、かつて寒川で暮らしていた方達の村の「同窓会」が開催され、割と多くの時間その模様が紹介されますが、この同窓会に至る経緯、背景等ももう少し描きこんでも良いような気もしました。

 以上は まあ素人の私の感想ですので読み流してくださいまし(^^;)

高齢化が進み、寒川のような状況におかれつつある村は現在全国で2000近くあるという・・・。

当日、籾木良作監督も来場、上映前に挨拶され、上映後もスタッフと共に玄関で来場者を見送ってくださいました。

私の好きな西都市の画家「彌勒祐徳(みろくすけのり)さん」も出演されてらっしゃいました。
彌勒祐徳さんが寒川でも教壇に立たれていたとは知りませんでした。

そうそう、エンドロールに流れる歌も良かったなぁ・・
宮崎出身のシンガー「鬼塚ちひろさん」にどこか似ているようなメロディー、そして声でした。
たしか、たぶん?宮崎市の某高校在学中の方とどこかで見たような記憶が・・。

「寒川」は籾木良作監督 初回監督作品との事、次作も期待しております。
映画「寒川」公式サイト
http://www.sabukawa.com/

[余談]
宮崎市文化ホールでは280人収容のイベントホールだけを予定していたようですが、来場者が多く、急遽、会議室に椅子を並べた特設の場所(100名程度の収容人数)合計2ヶ所での上映でした。

現在宮崎空港3階 エアポートギャラリーにて弥勒祐徳さんの米寿記念展 2月1日(木)~2月27日(火)が開催されております。(無料)
宮崎の自然や祭りなどを描いた油彩画を約30点が展示されているそうです。
(そうえば、昨年春に西都原の高取山近くで高取山のミツバツツジを描いている氏をお見かけしました。)その時書いたブログ記事 ひむかブログ1より 春の西都原公園

   弥勒さん

西都市寒川の場所はこの辺りであろうか→寒川周辺の地図(Mapion)

いつもならロケ地撮影に行く私であるが、今回はやめておこう。
「そっとしてあげたい」そんな気持ちにさせられた映画でした。
  
#最近涙もろくて・・いかん。

映画「寒川」予告編(動画:YouTube)

その後書いた関連話題→「尾八重神楽

宮崎県では2008年10月 呼称「限界集落」を「いきいき村」とする事になりました。

[ひむかブログ ドキュメンタリー映画「寒川」]







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