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甑(こしき)岳

えびの高原 甑岳(こしき岳)から下山中、迷い、あわや遭難事故に・・



福岡県の男性が、2011年9月25日から、えびの高原で行方不明となり、翌々日の27日無事自力下山、救出されました。
わりと気軽に登れる えびの高原の「甑岳」でのあわや遭難事故、教訓として記録を残しておくことにしました。

今回、行方が分からなくなっていたのは、福岡県行橋市の地方公務員、Aさん(報道では実名でした)28歳。
Aさんは、9月21日から、自転車で宮崎と鹿児島の旅行に出かけ、24日には、えびの高原荘(旧えびの高原温泉ホテル)に一泊、25日朝、ホテルの従業員に「池巡りに行く」と話して出掛け、えびのエコミュージアムセンター駐車場脇に自転車を置き、池巡りコースへと入山したようです。
翌26日、25日より自転車とバッグ2個が置いたままになっていることを不審に思った同センターの関係者が、午後、巡回中のえびの署警察官に通報。警察官がバッグの中を確認したところ、予定では、25日、えびの高原の池巡り後、鹿児島県霧島市内の旅館で一泊、26日に帰宅する予定であることがわかりました。25日霧島市内の旅館にも行っておらず、15時半より、えびの警察署らにより、池巡りコースを捜索しましたが17時までに、男性は発見出来ませんでした。

翌、27日、朝から警察や消防、山岳ボランティアなど、約190人態勢で防災ヘリなどによる大規模な捜索が続けられました。

27日、15時過ぎ、ニュースを見て個人的にボランティアで捜索していた小林市在住の男性(61)が、えびの高原から4Kmほど離れた、えびの市末永の白鳥神社南東の山中(白鳥神社側から林道を1時間ほど歩いた場所)の沢付近に座っているAさんを発見。 
Aさんは寒さを訴えていたものの、目立った外傷はなく、駆け付けた警察官らとともに無事保護され、下山、ヘリで小林市立病院に搬送されました。

Aさんは軽装だったが、かっばを着用。発見者の男性に対し「甑岳から下山中に迷った」「(食料を持っていなかったので)沢で過ごし、水を飲んでしのいでいた」 「携帯電話の電池が切れて時間も分からなかった」などと話したという。 

以上、内容は「宮崎日日新聞」9月27日、28日の記事・27日夜のNHKローカルニュースを参照の上記載しました。





無事で何よりでした。
26日のニュースでは、「携帯電話はつながるが、応答はない。」書いてありました。その時連絡が取れれば、これほどまで大きなことになっていなかったと思うのですが、何故、電話に出られなかったのだろう?

27日夜、男性の姿をニュース映像で見てツイッターで、「六観音御池でこの男性と話した」と“うつぶやいてらっしゃる”方もいらしたので、Aさんは、えびの高原の池めぐりコースを歩いた後、甑岳へ登山、甑岳から下山中に迷い、遭難したものと思われます。
甑岳から降りて来て、森の中で迷い、右の方の白鳥温泉方面(アバンダントしらとり郷土の森方面)への登山道へ入ってしまったようです。 (アバンダントとは、英語で 豊かな・豊富な という意味らしい。)
地図を参照→ 国土地理院地図 / アバンダントしらとり郷土の森イラスト地図(えびの市・PDF)
発見されたのは おそらくこの付近(マップファン地図リンク )、甑岳を下りたところから登山道を2時間程の距離と思います。
分岐点には案内板があったはず、見逃し迷って入ったのか・・・。

- 甑岳の標高は1301mですが、えびの高原自体が1200m程度ありますので、100m程度の標高差程度で、いわゆる初級クラスの山です。霧島では、結構マイナーな山でしたが、今年1月の新燃岳の噴火以来、韓国岳〜高千穂峰などが入山規制中で、現在人気の山となっているようです。
休憩をとりつつ登り50分、下り40分程度で登れる山ですが、私が5年前に登った際には、マーキングテープを良く見て歩かないと、迷いこむようなところもいくつかありました。

9/28付宮日新聞記事によると、1997年には甑岳から下山中の小学生2人が遭難、同様に北西方面の林道で保護されたこともあったようです。

これからしばらくすると山は紅葉のシーズン、多くの人出が予想されます。
新燃岳噴火の影響で霧島連山のメインとなる山々(新燃岳中岳獅子戸岳、大幡池、大幡山、大浪池高千穂峰韓国岳)が入山規制されておりますので、比較的マイナーだった(ある意味玄人コースだった)ところへ、初心者が多く流れるものと予想されます。白鳥温泉からの甑岳へのコースもその一つかと思います。過去に行かれた方のブログを拝見すると、多くの方が、このコースは迷いやすいところがあると指摘しているようです。

検索で見つけた以下のブログやWebPageでも“白鳥アバンダントコースは決して一人では入らない方が良い。” “白鳥アバンダントコースは樹海のコースなので遭難者が出る可能性は高いです。”と、指摘してらっしゃいました。
えびの高原遭難の件について 登山の様子


今回の要因を十分分析し、標識など、改善すべきところがあれば、迅速に対応をお願いしたいです。
当然ながら、我々も、いまいちど山に対する備えを考え、気を引き締める必要があると思われます。
手軽に登れるコースでも、コンパス・地図・雨具・非常食・飲料水は最低限持参したいものです。
また、これから日暮が早くなります、遅くとも15時には下山するようにしましょう。

あと、迷った時は元に戻る。 の励行! 
道中、車で使える携帯電話の充電器などで入山前に、携帯電話を十分充電しておきましょう。 (山は圏外が多いので電池の消費も激しいです。)

最後に、9月28日付 毎日新聞記事より、今回の捜索にも参加した霧島ネイチャーガイドクラブの古園俊男会長のお話を引用掲載しておきます。

 「十分な準備のない登山は無謀だ」
 「簡単に登れる山ではない。下調べもせず登山しては遭難する危険がある」
 「軽装では低体温症が命取りになる」
 「天気が良くても、山には常に危険が潜んでいることを忘れてはならない」


この時期になると、2009年10月、韓国岳でおきた小学生の遭難事故を思い出してしまいます。










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みやざき
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