 
向山神社(むこうやまじんじゃ)・宮崎県高千穂町
向山神社は、鳥居から本殿まで続く約500mの参道が「熊野古道」を彷彿させる雰囲気で、参道沿いにある仁王像や20基の特徴的な石灯籠も見所の神社です。
参道の石灯籠9基の傘の上には、種々の神像が彫ってあり、2基が猿、7基が七福神を表したものの様です。
石灯篭等は天保年間のもの、作者は延岡の石工・利吉。利吉は、浅ヶ部八十八ヶ所霊場の仏像、押方・二上神社の猿の燈篭、下野八幡神社の仁王像等も手がけております。
 鎮座地
鎮座地:宮崎県高千穂町向山中尾平1806 (地図等は下部に記載)
御祭神 
伊弉諾命(いざなぎのみこと)・伊弉冊命(いざなみのみこと)・素戔嗚命(すさのおのみこと)・天照大神(あまてらすおおみかみ)
田心姫命(たごりひめのみこと)・端津姫命(たぎつひめのみこと)・市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)・天忍穂耳命(あめのおしほみみのみこと) 
天穂日命(あめのほひのみこと)・天津彦根命(あまつひこねのみこと)・沽津彦根命(いくつひこねのみこと)・
熊野杼樟日命(くまのくすびのみこと)
例祭日:4月29日
御利益:夫婦円満、家内安全、航海祈願(田心姫命・端津姫命・市杵島姫命は宗像三女神として航海祈願の神様とされています。)
御由緒:創建は不詳、古文書には「紀州熊野から勧請」とあり、「熊野拾弐社大権現」と呼ばれていました。
「丸小野権現」「向山権現」とも記されています。
向山村の大社として三田井家の崇拝が篤く、三田井越前守親武が再建したと伝えられます。
以上、現地 鳥居前にあった由緒書きより
※「向山神社」と改称したのは明治31年6月のようです。
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向山神社 参道・神社等の写真 (1280pixに拡大します。)
 

 

参道入口両脇に立つ阿吽の仁王像 かつての神仏習合を物語る。
 

 

参道入口から、向山神社社殿までは約500m、途中に石段が三箇所、標高差約32m程です。
 

 

 

 

 

石灯籠の傘の上には、七福神や猿の像
 

 

 
 
全国に5体しか存在しない鉄造の狛犬の一対(2体)が向山神社に奉納されていた。
みやざきの文化財情報サイトより引用
 
引用 “向山神社の狛犬は、阿形・吽形の一対となっている。いずれも鉄造であり、魔除けのための守護神として向山神社に奉納されている。
  同狛犬の阿形は、高さ43㎝で、開口し左右犬歯は上下連結させて表現され、タテガミは葉状に房を重ねている。吽形は、高さ44.5㎝で、閉口しているが上下歯牙を見せ、後頭部のタテガミには毛並みが表現されている。
  神社などの狛犬は、一般的には木造もしくは石造が多いが、向山神社の狛犬は全国的にも事例の少ない鉄造である。またその制作年代は、最新の調査研究(『阿蘇高千穂地域歴史資料調査報告書』熊本県立美術館、平成20年3月)によれば、鎌倉時代後期とされている。同じ時代に制作された鉄造狛犬として、現在確認されているのは、
高千穂神社の一対(二体)と栃木県宇都宮市の二荒山神社の一体(建治3〈1277〉年の銘がある)の三体である。
  さらに制作技法においても、4つの割型が使用され、毛並みの表現も丹念に行われるなど、当時の鋳造技術としてはかなり高度なものがうかがえる。
  このように技法材料と様式のいずれからみても、向山神社の狛犬の希少性は明らかで、工芸史上の重要な価値を持つものである。” 引用終わり
高千穂神社の鉄製の狛犬(国の重要文化財)は、鎌倉時代に源頼朝の名代として秩父の畠山重忠が天下泰平を祈願するため、代参、奉納したものと言われております。
鎌倉時代に作られた1対が(奉納された方は不明ですが)ここ向山神社にも奉納されていたようです。
向山神社の鉄製狛犬は、平成21年、宮崎県指定有形文化財指定されております。
現在は、高千穂町コミュニティーセンター内、高千穂町歴史民俗資料館に寄託展示されております。
※上の向山神社鉄製狛犬の写真は、高千穂町歴史民俗資料館で撮影したものです。
 → 
向山神社の鉄造狛犬(当サイト内ページ)
現在の西臼杵郡域の熊野神を祀る神社
 (参照元:
宮崎の神楽/山口保明著)
落立神社(熊野三社権現・若一王子大権現)/ 高千穂町大字岩戸
向山神社(丸小野権現・熊野十二社権現)/ 高千穂町大字向山
芝原神社(熊野三社権現・熊野大神社)/ 高千穂町大字押方
熊野鳴瀧神社(熊野三社大権現・熊野三社権現)/ 高千穂町大字河内
熊野神社(熊野三社権現)/ 高千穂町大字田原
上野神社(熊野神社・王子権現)/ 高千穂町大字上野
鹿川神社(熊野三社大権現)/ 日之影町大字七折
平底神社(熊野権現合祀)/ 日之影町大字七折
祇園神社(熊野三社権現・冠八面大明神合祀)/ 五ヶ瀬町大字鞍岡
古戸野神社(熊野三社権現)/ 五ヶ瀬町大字三ケ所
アクセス・ 「向山神社」への道順等
〔
車で向かう場合〕
平成27年4月現在、車でも鳥居前まで行けそうでしたが、県道から向山神社へ向かう道路は、狭く、後半は「簡易舗装された林道・作業道」という感じの道です。ほぼ、すれ違いが出来ない、Uターンもままならない狭い道路ですので、運転に不慣れな方は、(道幅が広くなったすれ違いポイントも殆どないので、相当な距離のバックを強いられます。)対向車が来ると、辛い目にあうかも知れません。
各分岐点には、鳥居の形をした標識がありましたが、車からだと一部見逃しそうなところもありましたので、分岐部では徐行、よく見てください。
参道に入る鳥居前に駐車出来そうな空き地がありますので、ここに駐車の上、参道を歩きます。
〔
徒歩で向かう場合〕
歩きの最短コースは、県道50号沿いの路肩の広いところに車を停めて、徒歩で向かうコースです。
※路肩に駐車の際には、道路交通法を守ることは当然のこと、大型車も通りますので空スペース等、十分確保出きるところ、地元の方の迷惑にならない場所へ駐車をお願いします。
県道から歩くと、片道2.5Km程(高低差140m程)、ゆっくり写真を撮りながら歩いて約1時間位でした。距離をかけ、ゆっくり高度を上げて行きますので、登りもさほど苦になりませんでした。
途中から九州オルレコース(地図中点線)を歩くことも出来ますので、時間に余裕があれば、個人的には歩きをオススメします。(オルレコースは最後の登りが急なので、下りに使う方が楽です。)
九州オルレ高千穂コース(向山付近)
【 2021年情報追記 】高千穂オルレコースは3月末で終了しました。
 
九州オルレのシンボルカラー「朱色」は神社の鳥居の色で、日本文化を代表する色。
 ▲
▲〔オルレコースはリボンが目印〕
 
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▲〔オルレ標識 向山神社鳥居〕
 
 ▲
▲〔オルレコースにて 向山〕
 
青い矢印は正方向・朱色の矢印は逆方向を指している。
オルレコース上で見た光景
 ▲
▲〔北側に開けた眺望〕
 
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▲〔シャガが咲いてました。〕
 
 ▲
▲〔タケノコがあちこちに〕
 
 
「
九州オルレ」は、韓国のトレッキング愛好家たちの「済州オルレ」をモデルとし、九州の自然と歴史を体感するために誕生したトレッキングコースです。
高千穂コース(距離12.3km / 5?6時間)
まちなか案内所 → 高千穂神社(0.9km) → 高千穂峡・神橋(1.5km) → 高千穂峡・真名井の滝(2.0km) → 高千穂太郎の墓(3.3km) → 仲山城跡キャンプ場(3.5km) → 
向山神社参道入口(6.1km)(オプション:神社まで往復1km) → 丸小野地区の茶園(7.0km) → 旧・向山北小学校(8.8km) → 音の谷吊り橋(10.6km) → がまだせ市場(12.3km)
九州オルレ高千穂コース(地図)はこちらでご覧になれます。→ 
九州の旅サイト内 九州オルレ関連
2015年05月、九州観光推進機構のまとめによると、「九州オルレ」高千穂コースの訪問者数は2年余りで7,680人だったとのこと。
向山神社の地図・緯度経度情報
地図リンク:
Google MAP
緯度経度
緯度 : 32゚ 4116.906 / 32.68802944 WGS-84系
経度 : 131゚ 1817.656 / 131.30490444 WGS-84系
TOKYO測地系換算緯度 : 32/41/04.539
TOKYO測地系換算経度 : 131/18/26.455
 
あとがき
実は、向山神社は前々から参拝したく、過去に2回、車で向かおうと試みましたが、途中で道がわからなかったり、工事通行止めであったりと・・。
「ここは車で来るところではない」と、向山神社に祭られる神々より告げられたような気がしましたので、今回は、徒歩で向かい、ようやく念願叶い参拝することが出来ました。
歩くにも丁度良い季節・沿道の木々などの緑に癒され、帰りは九州オルレコース(地図点線部分)を一部歩きました。
次回も、是非徒歩で参拝したいと思わせる神社でした。
今回、神社参道でお会いし、帰りにご一緒した男性1・女性2のグループの方は、高千穂の街中から歩いていらしてました。女性の方が以前一度いらしたようで、参道に感動されたようで、また訪れたくなり2度目の参拝とか・・わかります。
向山神社の注連縄は、「七・五・三」ではなく、
秋元神社同様、「三」でした。
椎葉村にも向山神社があります。ここで紹介した神社は、高千穂の向山神社です。お間違いなきよう。 
 宮崎の美しい花・神話ゆかりの場所などを紹介した動画の紹介
      
      
      
宮崎の美しい花・神話ゆかりの場所などを紹介した動画の紹介
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向山神社(むこうやまじんじゃ)・宮崎県高千穂町
 - 2015/04 UP -