霧島 中岳中腹探勝路 2013年5月1日写真レポ2011年1月の新燃岳噴火以来、二年以上閉鎖されていた、高千穂河原から中岳中腹までの「中岳中腹探勝路」が、2013年4月27日より一般開放されました。 このページは、その「中岳中腹探勝路」を5月1日に訪れた際の、写真レポートです。 |
注意 (一読をお願いします。)追記 「2013年10月22日、新燃岳の噴火警戒レベルが2へ下げられました。これを受け、即、1Kmエリア外になるであろう中岳登山道に入れるかというと、そうでは無く、今後は、県が地元市町など関係機関と連携して、登山道や周辺環境の安全確認を行うとともに、修復、新たな看板の設置等必要な措置を行った上で、登山道の一部解除が行われることになります。 〔追記〕遭難騒ぎもおきております。→ 霧島連山、川崎の女性ら2人 規制中の登山道で遭難騒ぎ 10/23 鹿児島テレビニュースによると、一次調査登山の結果、中岳の山頂付近は50cmほど、火山れきが積もっていて、どこが登山道なのか分からない状態で、滑落するおそれのある場所も複数確認されたとのこと。このため鹿児島県などでは、当面、登山道を一般開放せず、火山れきを除去したり補修をした後、改めて開放するかどうか検討するとのことです。 以下より 2013年5月3日に書いた文です。 現在(この記事を書いた、2013年5月3日現在)新燃岳の火山活動は小康状態ですが、火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続中 火口周囲2km規制は、2011年に新燃岳が噴火をする時と同じ状況にあります。 もう少し細かく書くと・・2011.01.26、15:30過ぎに新燃岳が噴火をはじめた時点での噴火警戒レベルは、さらに低い「2」でした。(気象庁は噴火を受け、同日18:00にレベル3へ引き上げました。) 当サイト内関連ページ→ 2011年の新燃岳の噴火記録時系列 今回、一般開放されたこの中岳中腹探勝路は新燃岳に近く(新燃岳火口から2.3Km〜3.2Kmの範囲にある)、2011年の新燃岳の爆発噴火の際は周辺にも大きな噴石が降りました。 中岳中腹探勝路にも70cm程の噴石(火山弾)が落ち、直径約2mのクレーターが確認されたりしております。(写真参照) 前回の噴火被害状況を考えると、新燃岳再噴火の際には、人体に影響を及ぼすような、噴石被害等のリスクを伴う地帯ですので、入山は、火山情報、風向き等、情報収集の上、ご自身の判断でお願いします。 気象庁 | 噴火警報・予報等リンク 火山の状況に関する解説情報 噴火に関する火山観測報 新燃岳ハザードマップPDF(高原町サイト内ページへリンク) |
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「高千穂河原周辺案内図」 紹介 と 疑問点2013年5月1日高千穂河原駐車場で頂いた、リーフレット(両面印刷)のスキャン画像 表・裏) 上で紹介したリーフレットの「注意」*登山道口などにある案内看板には、「登山計画時間内に北西の風が予想される場合は、登山しないで下さい」と、書かれております。これは、前回(2011年の新燃岳噴火)の時もそうでしたが、上空に吹き上げられた「火山れき」が風に乗って風下に落ちてくるので、注意として書かれているものだと思います。 (北西の風が吹くと高千穂河原一帯は、新燃岳の風下になります。前回の新燃岳の噴火では高千穂河原でも、直径7〜8cmの噴石の飛散が確認されております。) 以下は、上記リーフレットの 裏面? 「注意」の文言部分を抽出したものです。 ![]() 単に、風向きだけで 「登山をしないでください」 注意表記は、問題ありそうな気がします。風向きの参考サイトリンク 例 (外部サイト) 霧島山(新燃岳)上空の風 時系列予測 日本気象協会九州支社 霧島山上空の風(福岡気象台) 例えば、上記(福岡気象台)リンクより、5月3日 08時発表の霧島山上空の風向き予想をチェックすると・・ 予想では 9時:北西の風、12時:北西の風、15時:北西の風 (冬〜春は総じて、西、北西の風が多いです。) 風向きだけでとらえると、注意に従えば、5月3日、登山はしないでください。という事になります。 今回、中岳中腹探勝路が開放され、関係者やマスコミが多く訪れた開放初日、「4月27日」も含め、この時期、北西の風は良く吹いております。 この、リーフレットや案内看板に書かれた注意書き、「登山計画時間内に北西の風が予想される場合は、登山しないで下さい」は、実態に即してない文かと思われます。 風向き云々をリーフレットや、案内板看板で注意を促すなら、風速(上空距離の条件)など、基準を設けるべきだと思います。 また、このような重要事項は、自治体や観光サイト等、関連公式サイトでも、告知周知すべきではないでしょうか。 現地に行って、登山口で、、「登山計画時間内に北西の風が予想される場合は、登山しないで下さい」など、初めて知らされても、皆様困ると思います。 ![]() 帰宅後、写真を整理中に気付いたことが・・・ 「現地の注意書き案内看板の、風向きに誤り」(5月1日時点で)中岳中腹探勝路口・及び中岳への登山道規制地点に設置されていた注意書きの書かれた看板には「登山計画時間内に」東〜南東の風が予想される場合は、登山しないで下さい」と書かれておりましたが、風向きが逆です。■以下は、5月1日、中岳中腹探勝路に設置してあった注意書き看板の文言の一部(誤記部分)です。 ![]() 中岳中腹探勝路の最終地点に設置してあったものも同文でした。 以前(規制解除前の3月)、撮影した高千穂河原(中岳登山道入り口)看板の写真がありましたので、確認したところ、以前の看板は、リーフレットと同じ 正しく「北西の風」になっておりました。 新燃岳と登山道の位置を考えると、5月1日現在設置されている看板が間違っているのだろうと思います。 同時に更新、交換したであろう、新燃岳を挟んだ逆側の大浪池あたりに設置した看板と取り違えて設置してしまってるのではないでしょうか? 案内板の誤記の件は急を要しますので、案内板に記載された問い合わせ先(鹿児島県観光局観光課)に 5月2日夜、TEL、確認してもうらうよう申し入れました。 (5月2日記) (PS : いつ、どのような対処をされたのかは、お返事いただいておりませんので、当方ではわかりません。) |
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※ 2005年撮影 ミヤマキリシマ (過去に撮影したもの) |
ほぼ同じ場所と思われるアングルで 大きな株は枯れたものが多いようです。 |
花好きの私、霧島を代表する中岳中腹のミヤマキリシマの、状態チェックが、今回、「意を決して」ここへと向かった、主たる動機でした。 (ここでミヤマキリシマが見られるのは。3年ぶりとなります。) 2011年1月から始まった新燃岳マグマ噴火による噴石、降灰、ガスで、ミヤマキリシマはだいぶ枯れてしまったようで、一帯では特に「登山コース」沿いのミヤマキリシマの被害が大きい印象を受けました。 一方、「つつじコース」のミヤマキリシマは、「登山コース」沿いと比べると痛んでない印象を受けました。すでに満開の株や、蕾がぎっしり付いた中規模の株を多く見かけ、これから、開花が期待出来ると思います。 ただ・・、今年、中岳中腹のミヤマキリシマを見に行くべきでしょうか?と 問われたら・・ 新燃岳のこともありあますし、来年まで様子を見たほうが良いのではないでしょうかと、答えるでしょう。 ![]() 〔 既に満開の小さな株もありました。 〕 新燃岳の活動が終息すれば、中岳中腹のミヤマキリシマは、年月をかけて、また元のように復活、また我々を楽しませてくれると思います。火山活動と共に生きてきたミヤマキリシマですからね。 |
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※上記、看板には、注意 NOTICE内容に誤記あり・詳細は上部に記載しました。 |
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石畳の脇には砂のような小さな軽石が多く堆積 | 噴石?らしきもの (素人には判断つかず) |
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積もった細かい軽石を歩く。砂場のような感覚。 | やがて、ミヤマキリシマのお出迎え |
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森を抜け、中岳が見える開けた探勝路分岐点 | ザクザクと深く積もった軽石の上を歩く |
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ところどころにミヤマキリシマが咲いている。 | このあたりに来ると、新燃岳からか、硫黄臭がします。 |
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人の頭くらいの大きさの噴石? | 中岳中腹探勝路3本の内の「登山ルート」 |
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枯れたミヤマキリシマの下に若いミヤマキリシマ | 軽石っぽい噴石?積もった軽石も大きくなってくる。 |
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中岳登山道はこの辺りだったような・・確認出来ず。 | 探勝路「登山コース」から「つつじコース」を見下ろす。 |
中岳への登山道付近拡大写真 (現在も入山規制中)
2011年の新燃岳噴火の際、火山弾で出来た、中岳登山道のクレーター箇所“新燃岳の噴火による衝突クレーター このくぼ地は平成23年の新燃岳の噴火で飛んできた火山弾でできました。 この周辺には1月26日、27日の激しい噴火によって軽石が積もっていますが、このくぼ地はその軽石の層を突き破っています。 したがって、このくぼ地は2月以降の噴火の火山弾でできた衝突クレーターであると考えられます。 クレーターの内側とその周囲には火山弾かけらやもとの登山道の石組がちらばっています。” (現地説明より一部引用) この地点は、中岳中腹探勝路「登山コース」の付近です。 GoogleMAP 緯度経度 (カメラのExifより抽出、精度は低いかも知れません。) 北緯:31度53分30.016秒 東経:130度53分32.233秒 高度:1113 m この緯度経度は、おそらくWGS-84系(世界測地系)だったと思います。 |
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新燃岳の大噴石2011年2月1日の新燃岳噴火では、火口から3.2Km離れた霧島市内新湯付近(牧園地区新湯温泉手前の杉林)に縦70センチ、横50センチの噴石(約400Kg)が落下。大木がなぎ倒され、直径6メートル、深さ2・5メートルもの大きな穴が開きました。また、新燃岳火口中心から730m離れた地点(火口西北西、標高1210m)で直径6〜7m(推定300〜500トン)の巨大噴石が確認されております。 写真はこちらのページに掲載 → 2011年の新燃岳の噴火記録時系列 |
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枯れたミヤマキリシマとミヤマキリシマの蕾 | 最終地点(ここより先の中岳登山道は入山禁止) |
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警察の現場検証みたいなテープが・・ | 2年以上 人が入らなかったので登山道にもミヤマが |
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ミヤマキリシマ | ミヤマキリシマ |
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ミヤマキリシマ | 探勝路(つつじコース)に深く積もった軽石 |
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大きな軽石はこの位のサイズ (拡大なし) | 下山後、高千穂河原より中岳山頂付近を写す。 |
- 中岳中腹探勝路 あとがき -今回、「中岳中腹探勝路」周辺の現状を皆様に伝えるべく、結構ビクビクしながら撮りに出かけました。 時折 ドーーンという鈍い音 あれは 自衛隊えびの駐屯地の演習の音なのでしょうか? チキンな私はビクビク。 朝7時〜9時、約2時間くらいの滞在でしたが、私の他には、写真を撮っているご夫婦一組(2名)を確認。 「つつじコース」の ミヤマキリシマは思った程枯れておりませんでしたので、このまま新燃岳の活動が収束すれば、いずれまた、元のように、ミヤマキリシマの時期は賑やかになって来ると思います。 このまま 新燃岳が 落ち着いて終息してくれますよう〜。 最後に、高千穂河原ビジターセンター前に咲く「真っ赤なツツジ」が見頃でしたので、掲載します。 クルメツツジのようにも見えますが、ミヤマキリシマの園芸品種なのかも知れません。 最後になりましたが、今回、中岳中腹探勝路開放に向け、登山道の整備をしていただいた、ボランティアの皆様、関係者の皆様、ありがとうございました。 |
高千穂河原の奥にある、天孫降臨神籬斎場(古宮址)付近には、かつて霧島六社権現の一つが鎮座しておりましたが、文暦元年(1234年)の御鉢の噴火で焼失しました。 この時(文暦1年12月28日・西暦1235年1月25日)の噴火で、霧島の神社・寺院および什宝、文書等をことごとく消失したようです。 この時、御鉢は一気に100m 以上高くなったと考えられています。 このときの噴出物が高原スコリアで、高原町狭野神社付近では1m 程度の厚さで堆積。また、霧島神宮から高千穂河原に至る、この道沿いで観察できる溶岩の一部もこの時のものだそうです。 |
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中岳中腹探勝路」登山道整備作業 社団法人 霧島市観光協会サイト内 霧島山登山道(中岳中腹探勝路)の3つのコースが開放. 社団法人 霧島市観光協会サイト内 井村先生に聞く新燃岳噴火 噴火後初めての中岳中腹ツアー えびのエコミュージアムセンターサイト内 霧島「中岳」の登山道再開 西日本新聞記事 ■当サイト内関連ページ 霧島観光 えびの観光 中岳 中岳のミヤマキリシマ 新燃岳 |