高鍋大師(たかなべだいし)宮崎県児湯郡高鍋町、北部、小高い丘の上に持田古墳群があります。その持田古墳群の一角、日向灘、市街地が一望できる地に古墳(持田古墳群)の霊を慰めるために高鍋の岩岡保吉(やすきち)氏(1889-1977)が約1ヘクタールの土地を購入、私財を投じ地元の方々と共に半生をかけて建造した高鍋大師の石仏群700体以上が鎮座しております。 どこか温かみを感じる石像達を見ていると、不思議と癒されます。石像達は私たちに何かを語りかけているようです。 ![]() 岩岡保吉氏が半生をかけ700余基を製作![]() 小学校卒業後、文具の行商などを経た後、19歳の時、米穀販売を手がけたところ、商売は大繁盛、成功を収め、順風漫帆の日々を送ります。 そんななか、1918年(29歳)、四国巡礼へ出かけ、これをきっかけとして高鍋に八十八ヵ所の霊場を造ることを決意します。 1932年、43歳の時、現在地に土地を取得・整備、大分より招いた石工仏師に石仏を製作させ、自身も石仏造りを学びます。 材料の石は現在の宮崎市清武町から運んだ石灰岩で、小丸川の川原の作業場で一心不乱に彫ったという。 翌年1933年に、88体の石仏が完成。東斜面に「東光寺八十八ヵ所」が誕生します。 その後、高野山で得度(とくど)大師堂を一般に開放しました。 岩岡保吉氏は持田古墳群の盗掘に心を痛め、古墳に眠る古代の人々の霊を鎮めると共に人々の幸せを願い、石仏造りに励み、昭和52年に逝去するまで自由な発想で、石像の製作を続け、弘法大師空海修行像、アマテラスオオミカミ、かぜのかみ、と言った大きいものは7メートルを越えるうような巨大なものから、水戸黄門を題とした「みとこモン」等のユニークな像など、型にはまらない自由な考えのもと、700余基を製作しました。 昭和52年(1977年)永眠、享年87歳でした。 ※ 岩岡保吉氏の写真は高鍋町観光協会発行リーフレット「高鍋大師」掲載のもの。 |
高鍋大師花守山花を愛でながら石像巡りが楽しめる憩いの場に。宮崎県観光遺産・高鍋大師では今、石像群の一帯を四季折々、花木が彩る「花守山」に整備するべく、植栽工事を進めています。これは写真家・故 秋山庄太郎に「福島県に桃源郷あり」と言わしめた福島県・花見山をモチーフにしたもの。花木生産農家の方々が自らの山林を無料で開放し長年にわたって植栽を行ってきた結果、今では桃源郷と呼ぶにふさわしくさまざまな花が咲き誇ります。 高鍋大師もそんな多くの人々に愛される場にしたい。その思いは今、少しづつ形になって姿をあらわし始めています (下段で紹介したリーフレット文より引用) |
持田古墳群の説明高鍋大師へ向かう途中、古墳を見かけると思います。 十二めんやくし背後の丘なども古墳です。持田古墳群は4世紀から6世紀にかけて作られた85基の古墳からなります。 この台地上には前方後円墳9期、円墳66基があります。 古墳は私有地、畑の中に点在します、見学の際には畑の中に入ったり、作物を踏みつけないようご注意ください。 路肩駐車の際には、作業車等の邪魔にならないようにお願いします。 |
みとこモん カメなど・・
![]() テレビ番組ご案内 NHKBSプレミアム にっぽん縦断こころ旅2013年1月7日の週は宮崎県、火野正平さんが高鍋大師を訪れました。高鍋大師ロケの放送は 1月9日(水曜日) 朝版:午前7:45〜8:00 同日の再放送 午前11:30〜 午後7:15〜 1月12日(土) 週末版 午前11:00〜 → 関連ブログ記事 追記 「みとこモん」出てました。 →「みとこモん」写真 ← 高鍋観光マスコット キャラクター たか鍋大使くん(高鍋大使くん) |
![]() へたっぴんの美学 高鍋大師 保吉翁の世界(みやざき文庫89) (みやざき文庫 89) [単行本]今井 祝雄 (著), 細川 和昭 (著) 宮崎県児湯郡高鍋町。古墳の台地上に広がる石像群、高鍋大師。現代美術の最先端で活躍する造形作家と写真家による<癒しの丘>のすべて。 価格: ¥ 1,680 通常配送無料 (amazon リンク) 単行本: 227ページ 出版社: 鉱脈社 (2012/8/25) ISBN-10: 4860614488 ISBN-13: 978-4860614485 発売日: 2012/8/25 商品の寸法: 18.6 x 13 x 1.4 cm |
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「何だ、これは?」 岡本太郎氏の口癖ではないが、初めて高鍋大師の石像群を目の当たりにしたときの第一印象である。 はっきり言って、下手くそで粗っぼく、ヤボったいそれら石像の数々に、最初は、一種の戸惑いと驚きを隠すことはできなかった。 だが、一体一体を見てまわるうち、いつのまにか「やぁ、こんにちわ」と石像に声をかけたくなるような気分になってくるから不思議である。 それは下手であるが故に見る側が招く気軽さ、気安さが親近感を生むのかもしれない。下手であるといっても、上手につくろうとして下手なのではない。言ってみれは 大人の児童画 というべき神や仏の像が、太陽のふりそそく自然の中で遊んでいるような 。 そして、再び口をついて出そうになる。「何だ、これはー」 (本書「まえがきにかえて」より) 目次から |
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第一章 高鍋大師物語 山の上のトーテム 岩岡翁伝 手づくりのユートピア 第二章 祈りのテーマパーク 顔≠ェ見える空間 参道・遍路みち 古墳ガーデン 大師堂の内と外 賽の河原 鳥居の境内 地下のぎょうば 山をおりた石像たち |
第三章 哄笑する石像たち ラッパ耳のおだいっさん 修行大師像 イネ米のかみ 稲荷大明神 百たいふど 火の神、子どもの守り神 笑う十一めんくわんのん 十一面観音像 十二めんやくし 十二面薬師像 鏡のアマテラス 神話の神々 海を見るスサノオ 須佐之男命 石のロボット 風神、雷神、誕生釈迦像 めでたき神々 七福神、慰姥 六じぞまもるじぞ 地蔵菩薩 地獄ランド みとこモん 美男美女群像 タカナベ ZOO もエんくよう 自らを刻む |
「高鍋大師」ページ作成 あとがきこの「高鍋大師」のページを公開した2006年当時、おそらく私有地、しかも宗教関連(宗教法人ではないようです)なので、場所等は表立ってあまり公にしない方が良いのかなーと、気を使って写真だけひっそり紹介しておりました。その後、高鍋町観光協会のブログで高鍋大師への道順等が公開、2009年3月には宮崎県の宮崎観光遺産にも登録され、ゆるキャラ「たか鍋大使くん」なども出来、町や県をあげ、「高鍋大師」をひとつの観光地としてのPRをはじめました。 興味を抱き、行かれる方もいらっしゃるのでは?と思い、高鍋大師周辺のアクセス地図(概略地図)などをページ末に掲載しました。 2013年夏、新たに撮影した写真を加え、高鍋町観光協会発行のパンフレット等を参考に、本文の大幅見直しを行い、現在のページに至っております。 本文等で、不適切な部分等ございましたら、お手数ですが、メールにてご指摘いただければ幸いです。 |