椎葉神楽発掘 渡辺伸夫 著(目次)
椎葉神楽の唱教などをより深く知りたい方には、この本でしょう。
単行本:A5判・482ページ・カラー口絵16頁
出版社: 岩田書院 (2012/07)
4,800円 (税別)
国の重要無形文化財である宮崎県椎葉村の「椎葉神楽」を、永年にわたる著者の研究成果をまとめる。
村報『広報 しいば』に127回にわたり連載され、研究者から注目されていたものに、新たな知見を加える。
本書でもっとも力をそそいだのは唱教(唱え言)と神歌であり、宿借り曲(山の神が一夜の宿を乞う問答体の曲)の解明である。
【主要目次】 口絵カラー写真35点 本文中写真285点 以上、岩田書院サイトより引用
関連リンク
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椎葉神楽発掘 渡辺伸夫 著
目次
- 発刊のことば ── 椎葉晃充 ── (1)
- 序−埋もれた神楽 ── (9)
- 椎葉神楽分布図 ── (12)
第一部 椎葉神楽概説
- 【一】椎葉神楽の特色と価値 ── (17)
- 【二】高天原 ── (20)
- 【三】自蓋と彫物−神楽の切紙飾り ── (25)
1.自蓋(25) 2.彫物(29)
- 【四】宝冠とトビ紙 ── (36)
- 【五】式三番 ── (39)
- 【六】拝みあげ ── (43)
- 【七】山人と山守−「宿借り」とその周辺 ── (46)
- 【八】立願と願成就 ── (52)
1.神楽と立願(52) 2.大宝の注連(54) 3.願の紐(56)
4.大神の拝みあげ(60) 5.験者と願成就(64)
- 【九】芝入れと芝荒神 ── (67)
1.芝入れ(67) 2.芝荒神(69) 3.荒神の杖(72)
- 【十】御笠 ── (74)
- 【十一】酒ほかい ── (76)
- 【十二】火の神 ── (79)
1.火の神かぐら(79)2.火の神氏入れ(83)
3.カガソヒキ(85) 4.麻苧と苧桶(88)
- 【十三】年の神(91)
- 【十四】かんしい・かんしん ── (94)
1.かんしい(94) 2.部屋入り(96)
3.神枠と綱入れ(100)
- 【十五】湯使いの神楽 ── (103)
第二部 唱教と神歌
- 【一】板起し ── (107)
1.板起し(107) 2.板のよね(108) 3.蓮華の清盛(113)
4.あくだらの板(115) 5.天ばん地ばん(117) 6.盤起し(120)
- 【二】げくにょう ── (123)
- 【三】氏入大事(126)
- 【四】御神屋ほめと有長(136)
1.御神屋ほめ(129) 2.西山小猟師(130) 3.天笠の法者(132)
- 【五】太殿の飯上げ ── (134)
1.太殿の飯上げ(134) 2.太殿の餅(136) 3.有永と大殿(139)
4.物召す神(141) 5.弥勒浄土(143) 6.西の京から来る鳥(146)
7.羽は十六(147)
- 【六】禰宜立(154)
- 【七】日 月(157)
- 【八】注連の唱教(159)
- 【九】大神の唱教(161)
- 【十】地固めの唱教 ── (163)
1.地固め(163) 2.黄金の大地(166) 3.地固めの唱教(169)
4.だらの経(171) 5.じんづの太刀(173)
- 【十一】壱神楽の唱教
1.壱神楽(176) 2.住吉の松(178)
- 【十二】稲荷神楽 ── (181)
- 【十三】星指し ── (185)
- 【十四】柴引き ── (187)
- 【十五】おきえの唱教 ── (190)
1.おきえ(190) 2.彫物讃め(191) 3.難陀龍王(193) 4.犀の生角(196)
5.おきえの御前(198) 6.えびすの御前(200) 7.蛭児と龍王(202)
8.沖得祭(203
- 【十六】牛頭天王の唱教−「くこくの富」考 ── (206)
第三部 椎葉神楽とその周辺
- 【一】「すがもり」ノート ── (207)
1.栂尾神楽「つがもり」(207) 2.「すがもり」の諸事例(221)
3.文献史料の「すがもり」(224)
- 【二】鳴り高し ── (228)
- 【三】神楽の宿借り ── (238)
1.嶽之枝尾神楽の宿借り(238) 2.ほっと承り候(241) 3.歌妻のいわれ(247)
4.旗雲のいわれ(250) 5.薩摩の宿借り(252) 6.祓川の門境(272)
7.五島の山下舞(275) 8.壱岐神楽の宿借り曲「山入舞」をめぐつて(282)
9豊前の宿借り(301) 10行波の内外(304)
- 【四】葬送の宿借り ── (312)
1.対馬豆穀の宿借り(312) 2.阿波の宿借り(314) 3.土佐の宿借り山(317)
4.土佐の宿借り似(320) 5.河内の宿借り(324) 6.葬送と神楽(326)
- 【五】佐陀大社の宿借り神事(330)
- 【六】文芸・芸能の宿借り ── (332)
1.一夜の宿(332) 2.宿借る神(336) 3.宿借聖(338)
4.宿借りの作法(340) 5宿貸し禁制(343)
- 【七】山守(346)
1.戸下の山守(346) 2.山守の杖348) 3.「山守」断簡(350)
- 【八】九州の山人361
1.国東の山人(356) 2.山人舞(358) 3.宇佐の山人(361)
- 【九】将軍舞(364)
1.森(364) 2.森と将軍(366) 3.武者を好まば(368) 4.森の本地(372)
5.荒平が祖父(374) 6.天大将軍(376) 7.弓道し(378) 8しようごん殿(381)
9.将軍問答(383) 10.宝渡し(385) 11.天下る龍(384) 12.小鷹ゆらゆら(388)
13.東山こうそが嶽(391)
- 【十】乗り柴・入れ柴・柴引き−高千穂神楽の柴をめぐつて(396)
- 【十一】ほたけ祭(402)
1.対馬のほたけ祭(402) 2.五島のほたけ祭(405) 3.釜祓い神事(408)
- 【十二】太鼓の口明け ── (413)
1.神楽始めの行事(413) 2.堂の口明け(418) 3胴の口明け(422)
- 【十三】ゴヤセキ ── (425)
1.ゴヤセキ(425) 2.かくれみ(427) 3.鶯の昼寝(430)
- 【十四】神楽せり歌(434)
1.椎葉の神楽せり歌(434) 2.下福良地区(437)
3.大河内地区(447) 4.不土野地区(451)
- 【十五】九州の神楽歌−肥後国の神楽歌「高所」を中心として ── (455)
1.はじめに(455) 2.「高所」の四句神歌(456) 3.此殿歌と酒殿歌(461)
- 椎葉神楽関係文献一覧 ── (467)
- 初出一覧(473)
- あとがき−椎葉神楽を愛して ── (477)
内容は 発行時点のものであり、先々変更になる場合があります。
最新情報は、各公式サイト等でご確認をお願いします。
椎葉神楽発掘 渡辺伸夫 著(目次)
以下は、平成三十年に撮影した、
嶽之枝尾神楽「宿借り」の場面です。
「椎葉神楽発掘」より一部引用
"暗くなって一人の旅人が神楽宿にやって来る。
破れ笠に蓑を負い、腰に刀を帯び、破れわらじをはき、竹杖をついたみすぼらしい姿である。
旅人は「御宿申し候」と一夜の宿を乞う。
太鼓に腰をかけた宿の主人が、右手に旅人と同様の竹杖をついて「御宿なるまじく候」と対応する。
宿借り問答の始まりである。
主人は赤ひげに猿まなこの旅人の醜さをあげて宿を断わるが、歌妻のいわれ、旗雲のいわれの問答が続く。次に歌妻のいわれの一部を示す。
旅人 ほっと承り候。我等こそ是より山口にさし入りて歌うたる歌妻は、なにとて歌わせ給うや。皆人は山口しむる山廻りを中山しめてわが山にせんとさんどうと歌うたる歌妻のいわれとか承り候 ・・・(以降は本著をご覧ください)
宮崎の神楽
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