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黒北発電所 国登録文化財

黒北発電所の場所、地図(マップ)

場所: 宮崎県宮崎市清武町大字船引字川平3544  
地図(マップ): Map  GPS N=31.52.24 E=131.21.15 
下写真左奥に駐車場があります。トイレもありました。(2009年7月現在)

写真をクリックすると新しいウインドウで1024pixに拡大します。

黒北発電所 宮崎県 宮崎市清武町 01

宮崎県初の発電所・現在も稼働中

黒北発電所 宮崎県 宮崎市清武町 説明図 現地案内板 06

黒北発電所の案内板より

黒北発電所(県内最古の発電所)

黒北発電所は、宮崎県で最も古い事業用発電所として明治40年(1907年)7月3日に運転を開始しました。
(九州で最初熊本電灯会社(明治24年7月)で、それに遅れること16年でした。
以来、現在も働き続ける由緒ある発電所で、建物はその当時の面影を色濃く残しています。
宮崎に初めて明かりを灯したこの発電所は平成9年(1997年)5月7日、建物が宮崎県では初めて駐車場・トイレあります。に登録されました。
現在は、原子力発電所や、火力発電所は主力となっておりますが、水力発電所は、純国産エネルギーとして貴重な供給力です。
この黒北発電所は、建設以来、3名ないし4名で運転していましたが、現在は無人であり宮崎支店総合制御所(宮崎市)から遠方監視制御されています。

沿革
黒北発電所は。大和田伝蔵氏、柴田晋氏によって設立された日向水力電気株式会社の手で明治40年(1907年)1年がかりで建設されました。
当時は、種油、石油ランプで生活していた町民は電灯の明るさに驚き、便利さは次第に県下一円に広まり、十数ヶ所の各地に電気会社が設立されましたが昭和17年(1942年)4月九州配電株式会社に統廃合され、さらに戦後の昭和26年(1951年)5月九州電力株式会社に引継がれ現在に至っています。
 (図は現地案内板を撮影したものです。クリックすると拡大します。)




黒北発電所 宮崎県 宮崎市清武町 02
発電所の建屋は、石造の平屋建て(78平方メートル)

黒北発電所 記功碑について


この記功碑は、発電所上流 沈砂池内に建立されていたが、広く公開するために昭和36年3月この地に移設したものである。

黒北発電所 宮崎県 宮崎市清武町 04「碑文要約」

ある日、柴岡晋氏が汽車に乗っていると、隣の席で「国を発展させる為には工業をおこさねばならない。そのためには水力発電所を造り、工場の動力に電気を使うことだ」と熱心に話しているのを耳にした。
柴岡氏はこの話に感動し、日夜考え続けた。
ついに明治33年大和田伝蔵氏と共に賛同者を募り発電所建設に踏み切った。
最初に計画した鵜木川は地形が悪く断念。
翌年、清武川北岸に再度計画し、測量や設計も終わったが、経験の無い者が進める事業に対する不安から、投資をする人がなく建設計画は暗礁にのりあげた。
たまたま四国の松山に電気事業に詳しい才賀藤吉という人がいる事を聞き、柴岡、大和田両氏は松山に出向いた。
対面してみると才賀氏は、数年前車中で隣合わせた人だった。
お互いその奇遇に驚くとともに意気投合。
宮崎に来た才賀氏は計画地点を一目みるなり、清武川北岸より南岸は良いと判断した。
測量してみると才賀氏の云う通りで、氏の見識の深さに皆感銘した。
しかし、府県統合や日露戦争の勃発などで、建設は再度中断した。
ようやく明治39年5月、日向水力電気株式会社を設立。資金10万円を投じて工事開始、40年7月完成。
8月から営業を開始した。
電灯の便利さを知った人々は競って使用するようになり、夜もこうこうと不夜城のようになり、文化の灯はたちまち広がっていった。

ここに創業者の苦難と功績を記して永遠に伝えたい。
明治44年10月 日向水力電気株式会社建立

碑文の題字は才賀藤吉書  碑文は多賀谷良策選弁書 (現地案内板より)


 記功碑拡大写真 (漢文で記述されているようです。)

黒北発電所 宮崎県 宮崎市清武町 03

この中を1秒間にドラム缶8本強分の水が流れ落ち建物内にあるタービンを回しています。

最大出力 200Kw 最大使用水量 1.67m3/sec 有効落差 16.67m
水車 ドイツ製-フォイト社 1906年製 発電機 ドイツ製-アルグマイネ社 1906年製

清武町のWebサイトを参照すると、当時の電気量は、約20W1灯(電気スタンド程度の明るさ)で1ヶ月70銭(現在の6〜7千円相当)と大変高価だったようです。
当時は、黒北発電所(200KW)だけで宮崎市の電気がまかなえたようです。
現在、仮に1件当り1KWの消費量とすると200軒分の電気が供給できる計算となります。



発電所とは関係ありませんが・・・。 付近にはツバメが多くいました。田には田の神様も。

黒北発電所 宮崎県 清武町 付近にいた ツバメ黒北発電所 宮崎県 清武町 付近 田の神様


稼動中(無人)につき、当然ながら、発電所内部は見学できません。
観光っていうよりは・・建物・近代歴史・文化財等興味ある方向けのところでしょうね。

発電所の付近で耳を澄ますと「ゴーー」という音が聞こえます。
発電施設の石造りの建物やドイツ製の水車・発電機は当時のものとのこと。
100年以上もの永い間、ここで今も稼動しているのですね。
「永い間、お疲れ様です。」と・・ねぎらいの言葉を・・。

水圧鉄管上部、水槽近くにツツジが綺麗に植栽されておりました。
開花時期に再度訪れたいものです。


黒北発電所(国登録文化財) の写真 


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