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高千穂の夜神楽ミニ解説 (高千穂町)

高千穂の夜神楽 タイトル画像

以下の文章は、高千穂町で入手した「高千穂の夜神楽ミニ解説」より


高山を通りて行けば面白し、いつも絶えぬ御神楽の音

 秋の収穫も終わり、祖母山頂が樹氷で覆われ始める頃、神話と伝説のまち高千穂では、氏神様のお祭りが始まります。
高千穂の村祭りは収穫感謝祭としての秋余り、太陽復活・鎮魂儀礼としての冬祭り、五穀豊穣祈年余祝の春祭りとして、氏神様を神楽宿と呼ばれる里の家にお招きし、夜を徹して33番の神楽を奉納するのが昔からのシキタリです。
ただ、近年は舞人や村役目の都合で夜神楽が奉納出来ない集落もあり、そうした集落は日神楽と称して、お昼に式3番と呼ばれる神楽を中心に数番奉納しています。

祭場のしつらえ

例祭日の当日、お昼過ぎに氏神社で神迎えの神事が行われた後、お神輿の行列が村中をねり、神楽宿へと向かいます。
村道には神の道として道注連(みちじめ)が張られ、道神楽が行われます。祭場の神楽宿には、その象徴として屋根に弓矢と山冠・横冠のの3本の御幣(ごへい)が棟飾りとして設けられ、竹の器に神酒を注いだ「かけぐり」を供えます。庭には「山」と呼ばれる一丁間四方の外注連が設けられ、神楽が舞われる神楽宿の中央の部屋(おもて)には二間四方の内注連「神庭(こうにわ)」がつくられます。
「山」は山の神で、自然の象徴として33天や、28宿、24紳、12ケ月12神等の飾り物が配されます。
神々は天に近い「山」に降臨し、注連を伝わ「神庭」に舞降りるという古来の神事形態の中で神楽は奉納されます。
内注連の「神庭」は、神前を東と定め、太鼓の座が南、外注連の方が西で「幣の上」と称します。
東の神座には皇大神宮の「筥宮」(はこみや)」を中心に神面(おもて様)を置き、神酒や米・野菜・餅等の神饌が供えられます。
二間四間の四隅には竹と榊を立て、注連縄と「彫り物(えりもの)」が飾られ、天井の中央には高天原を象徴する「雲(天蓋)」が吊られます。「彫り物」は中央の鳥居、子授安産豊穣の「湯襷(ゆだすき)」、自然界の中央の土徳神、四方の木・火・
金・水徳神、十干十二支等の切り絵が配され、神仏習合の陰陽五行の影響がみられます。高千草の注連縄は七五三で編まれ、天神七代・地神五代・日向三代を意味しています。祭場そのものに自然界の神々と里人の生活との絆が表現され、その結界の中で一年に一度、山間で生きる高千穂の里人は神々と紬遊びを行うのです。


夜神楽33番

 神楽の舞手は奉仕者という意味から「ほしゃどん」と呼ばれます。
33番は、観音様は33の化身により人々を救うという思想によるものといわれます。
神面は「おもて様」と称され、神そのものです。
神面の起こりは人にあらざる神の表現といわれますが、33番の中では岩戸5番をはじめ、杉登の入鬼神(いりきじん)、地割、山森、五穀、七貴神、八鉢(やつぱち)、御神体、御柴(おんしば)等の舞で「おもて様」を拝した神楽が舞われます。
「面神楽」は神話にちなんだ劇的な舞で、「面様」をつけない舞は「素面(すおもて)舞」といわれ、清祓い・鎮魂・豊穣祈願・子授安産等の願神楽として奉納されます。神楽歌はそれぞれの舞に応じた歌や舞の進行、所作の区切りとして歌われます。「四方念じて」「吹けば行く」「中央六部に」は四方や中央、太鼓割りに移る時の歌で、一つの採物事が終わると「舞いおろす中のや正面」が歌われ、「八雲立つ出雲八重垣」(地区によって時「収めても千代の御神楽」)で舞は終了します。高千穂の神楽は「採物(とりもの)神楽」ともいわれ、何を持って舞うかで、その神楽の願い、性格が表わされています。
鈴の音は神の「のりごと」であり、榊・御幣は神の依代(よりしろ)、杖は荒神様の持物で、神威であり、また耕作棒・測地の尺棒・山人の贈物として使われます。
弓矢は悪魔祓いの採物で、太刀は水徳神の呪物として使われます。
「地固」「岩潜」「山森」等は太刀を用いる水神系の神楽ですが、併せて女性の帯を襷に用いることから子授安産の祈顧も含まれています。水徳の力による大地穀物の豊穣・育成と、子孫の誕生による村の繁栄の願いが込められています。
扇は神儀儀礼の呪具で、扇の手は初めは閉めたままで舞い、次に開いて舞う「開き扇」の手に移ります。これは力の展開を意味するといわれます。

旅人もー夜氏子

観光で見学にこられたお客様もー夜氏子です。村祭りは総指揮の「元締め」を中心に「中世話」「神使われ」「注連の番」「台所役」等、里人の祭役目で運営されます。どうか村々のシキタリをお守りいただき神々・里人とともに神遊びをお楽しみ下さい!

手力雄(タヂカラオ)の舞





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