【祝】「高千穂郷・椎葉山地域」世界農業遺産認定

▶ in ニュース・地域の情報他 posted 2015.12.16 Wednesday / 07:35



「世界農業遺産」・・・・・。

初めて目にする方もいらっしゃるかも知れませんが・・・「世界農業遺産」は、伝統的な農業や、それによって育まれた文化などの保全を目的にFAO、国連食糧農業機関が2002年に制定、認定しているものです。
認定後は、農産物のブランド化や体験型観光などでの地域活性化が期待されます。

県と高千穂町、日之影町、五ヶ瀬町、椎葉村、諸塚村の行政、農林業関係者が「高千穂郷・椎葉山世界農業遺産推進協議会」設立・申請〜認証

本県は、県と高千穂、日之影、五ヶ瀬町、椎葉村、諸塚村の行政、農林業関係者が「高千穂郷・椎葉山世界農業遺産推進協議会」(会長・内倉信吾高千穂町長)を昨年3月に設立して準備を進め、「高千穂郷・椎葉山の山間地農林業複合システム」として申請しておりました。

その「世界農業遺産」認定地域を決める国連食糧農業機関(FAO)の会議が15日、イタリア・ローマのFAO本部で開催され、「高千穂郷・椎葉山地域」が認定されました。

(本県と和歌山県が委員会の全会一致、岐阜県とバングラデシュの候補地が多数決により認定。インドネシアの候補地は、認定されませんでした。)

山間地の環境と共生して農林業の複合経営を確立、地域一体となって神楽などの伝統文化と共に次世代へ継承している取り組みが評価されたものです。
「世界農業遺産」認定により、今後、地域活性化や農産物のブランド化が期待されます。

昨日の最終審査では、河野知事と五ヶ瀬中等教育学校の生徒代表、宮嵜(みやざき)麻由香さん(18)が英語でプレゼンテーションを行いました。そのプレゼン内容(日本語)です。

河野知事プレゼン


 本日のプレゼンテーションは次の四つで構成されます。
 それでは、本地域の価値について説明します。

1、位置

 まず、高千穂郷・椎葉山の位置について説明します。
 本地域は日本の南西部、宮崎県の北部に位置します。
 本地域は標高1,500メートル級の山に囲まれた、たいへん険しい山間地です。
 この地は、日本神話において建国の祖が降臨したと言われ、様々な神話が息づいています。
 人々は、自然を敬い、自然と調和しながら、農林業で生計を立ててきました。

2、山間地の農林業システム

 この地域の農業が世界において価値がある点は、自然条件が厳しい山間地において、各農家が森林からの恵み(Natural resources)を巧みに活用した農林業複合経営を営み、共同作業を通じて力強い地域コミュニティーを築いてきたことです。
 そして、この地域コミュニティーによって、良好な森林の管理とインフラの建設が行われ、本システムが強化される好循環が生じていることです。
 各農家の複合経営は、様々な要素から成ります。
 これらは、森林からの木材、水、有機物を効果的に活用する伝統的な農業です。
 多様な農林産物の生産は、経営の安定と活発な農林業活動に結びついています。
 特に、※右のグラフのように、日本全体の低迷にもかかわらず、本地域の木材生産が驚異的な伸びを見せていることは、本システムの効果を端的に示しています。
プレゼン添付図 木材生産量(全国・該当地域比較)
 このシステムが特徴的な景観に結びついているのが、本地域の東部に広がる、「モザイク林」と呼ばれる景観です。
 この景観は、森林が人の手によって管理され、木材生産のための針葉樹と、シイタケ生産のための広葉樹林がパッチワーク状に配置されたことで形成されています。
 この農林業システムは持続的(Sustainable)です。
 その証のひとつとして、モザイク林の一帯はFSC森林認証を受けています。そしてそこで生産されるシイタケは、世界で唯−CoC認証(Chain Of Custody:加工・流通過程の森林認証)を受けています。

 生物多様性についても、この農林業システムによって生み出された二次的自然の中で、多数の希少動植物が生息しています。
 例えば、本地域のスギの人工林には、絶滅危倶種のクマガイソウが生息していますが、これは、木材生産のため林内に適度に陽が差すよう、人の手で森林が管理されることで、生息が可能となっています。

3、地域コミュニティーの強さ

 複合経営と並び、本システムの大きな柱である地域コミュニティーについて説明します。
 この地域コミュニティーのユニークな点は、住民が自治公民館(Community hall)を中心に組織をつくり、行政から独立して様々な活動を行っていることです。
 これをわれわれは「自治公民館制度」と呼んでいます。

 特に農林業システムと関係の深い活動を二つ挙げます。
 ひとつは、コミュニティー住民の協力によって、道路網の建設が行われている点です。
 特に東部の諸塚村では、住民自身の手で道路網の建設が行われており、山間地にもかかわらず林内路網密度が日本一に達しています。
 そして二つ目が、コミュニティーの手によって、山肌を縫うように総延長500舛鯆兇垢んがい水路網が建設されたことです。
 コミュニティーによる道路網と水路網の建設が、本システムの重要な基礎となっています。
 コミュニティーの団結力を高めているものが、伝統文化です。
 特に日本神話と結びついた神楽は、一晩中、集落を挙げて神々に収穫の感謝と来期の豊作を祈願するものであり、コミュニティーの象徴となっています。

4、次世代へ(アクションプラン)

 地域の要であるこのシステムを次世代に繋ぐため、われわれは力強く行動します。
1988年から、われわれは、人と森林が共存する社会、Forestopia(Forest−Utopia)を実現させ
るため、行動してきました。
 この取り組みをさらに推進します。

 自然とのバランスを保ちながら、農林業の発展を図ります。
 特に、多くの若者力戦業している(財)ウッドピア諸塚のように、若者の農林業への就業を促進します。

 伝統文化を保全します。
 われわれは、次世代へ伝承するため、様々な活動を行っています。
 例えば、本地域では日本で唯一、自然と調和した伝統的な焼畑が継続されていますが、子ども達と−緒にその保全に取り組んでいます。
 また、農家民宿や森林セラピーのような、体験型活動を人々に提供します。
 そのことで森林と国土の保全を担う農林業の重要性を広めます。

 人材を育成します。
 われわれはフォレストピア構想に基づき、それを担う人材を育成するため、1994年、日本初の公立中高一貢校、「五ヶ瀬中等教育学校」を設立しました。
 当校は高千穂郷・椎葉山の地域にある全寮制の学校です。「グローバルフォレストピア学習」という、総合学習を行っていることが特徴です。
 本日は、同校の生徒である宮嵜麻由香さんにもお越しいただいていますので、後ほど彼女から、同校における取り組.みと地域の若者の熱意を語っていただきます。

 そして、GIAHSを通じて、われわれの取り組みや知見を発信し、世界の山村振興に貢献したいと願っています。

 われわれの熱意が、GIAHS事務局に届くことを祈念します。
 ご清聴ありがとうございました。
 次に、宮嵜さんから、五ヶ瀬中等教育学校における取り組みと地域の若者の熱意について語ってもらいます。



(※)本ブログではレイアウトの関係で図を下部に掲載しました。



宮嵜麻由香さんプレゼン

 本日、私がお伝えする内容は次の三つです。

 それでは最初に私の学校、五ヶ瀬中等教育学校を紹介します。

1、五ヶ瀬中等教育学校

 本校は1994年に全国初の公立中高一貴校として開校し、去年、創立20周年を迎えました。
 これまで、地域の自然や人材を生かした「感動」と「感性」の教育の中で、豊かな人間性と社会性を育み、21世紀を担う個性豊かで創造的な発想を身につけた人材を数多く輩出してきました。
 また、20周年の節目の年に、文部科学省から、スーパーグローバルハイスクール(SGH)に選ばれました。
 この事業は、これからの時代を担う若い世代を、国際的に活躍できるグローバルリーダーとして育成する国のプロジェクトです。
現在、私たちは高千穂郷・椎葉山の価値をグローバルな視点で学習しています。

2、フォレストピア学習

 本校は開校日寺から「フォレストピア学習」を実践してきました。
この学習は、地域の自然や文化に触れる体験型の活動です。実際に野焼きを経験し、地域の農業文化を学びます。
 去年からはSGHに指定されたことで、「グローバルフォレストピア学習」に改名しました。
 既存のフォレストピア学習に加え、地域の価値や課題をオックスフォード大学やケンブリッジ大学、東京大学の外国人学生と研究し、国内外に発信しています。
 私は現在、お年寄りから地域の伝統文化や歴史を学ぶ活動を行っています。
 その中で地域の持つ価値を次世代に継承しなければいけないと強く感じています。
私は将来、若者とお年寄りが地域の価値を共に学ぶ学校をつくるのが夢です。
私は来年から大学に進学します。大学入学後はその「学校」をつくるために活動を開始します。
こちらの計画が大学4年間で私が実行する内容です。
活動を開始するのが今から楽しみです。

3、世界農業遺産に認定される意義

 最後に世界農業遺産に認定される意義について説明します。
現在、本地域は人口減少が進行しており、地域に住む若い世代は将来に大きな不安を抱えています。
 そのような中で世界農業遺産の認定は私たち若い世代にとって「自信」と「希望」になり、「未来」を創る大きな一歩となります。ご清聴ありがとうございました。

プレゼン本文は、宮崎日日新聞紙面より引用




限りある時間でのプレゼン、焼畑農業のことは出てませんでした。
椎葉の焼畑農業は、現在、一戸でしか行われてないとか・・。
世界農業遺産の申請の際には、焼畑農業もひとつのアイテムとして入っていると思いますので、この伝統を守って欲しいものです。

毎日新聞よると、宮嵜さんは昨年8月に鹿児島県南九州市で開かれた弁論大会「平和へのメッセージfrom知覧」の高校生の部で最優秀賞を受賞。
今年5月には同地域で現地調査したFAO専門家にも現地の事情を説明。
学校生活では高齢のシイタケ農家から聞き取り調査をするなど、高齢者の知恵や技術を次世代に継承することに興味があるとのこと。

フォレストピア(Forestopia)の語源と意味

フォレストピア(Forest)・森林とユートピア(utopia)・理想郷という2つの言葉を組み合わせた造語です。
人々が森林の恵みを上手に利用して、いきいきと心豊かな生活ができるところ、即ち「森林理想郷」を意味します。
詳しくは、諸塚村のページをご覧ください。

以下は、木材生産のための針葉樹と、シイタケ生産のための広葉樹林が織り成すパッチワーク状の景観、棚田、コミュニティーの団結力を高めている、伝統文化「神楽」など・・大手持ちの地域の写真から今回の記事のイメージにあうものを当方で選んだものです。

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国内の世界農業遺産は8ヶ所

今回の会議で、審査の対象となったのは世界で5つの地域、日本では、鮎漁で知られる岐阜県の長良川上中流域と、梅の生産で有名な和歌山県のみなべ・田辺地域も認定を受けました。
今回の認定で国内の世界農業遺産は、従来の5ヶ所(能登の里山里海、トキと共生する佐渡の里山、阿蘇草原の持続的農業、静岡の伝統的な茶草場農法、国東半島・宇佐の農林水産循環システム)と合わせて8つとなりました。
世界では、アフリカ、ラテンアメリカ及びアジアの15ヶ国、合計で35となるようです。



地元NHKのニュースによると、“高千穂町内の施設ではおよそ100人が集まり、午後10時すぎに、現地に行っていた町長から国際電話で認定を得たことが伝えられると、大きな歓声が上がりました。”とのこと。

河野知事の話
大変喜ばしく、光栄に思う。
今回の認定は地域の方々、特にこれからを担う若者にとって大きな自信と誇りになるとともに、さまざまな効果も期待される。
県としても高千穂郷・椎葉山地域の活性化につながるよう、地域の皆さまと一緒に取り組んでいく。

内倉信吾高千穂町長(高千穂郷・椎葉山世界農業遺産推進協議会長)の話
認定が地域の活性化、地方創生につながることを期待したい。
強い地域の絆で伝統ある農林業や伝統文化を地域一丸となって、未来を生きる人々に引き継がなければならないと決意を新たにした。

宮崎日日新聞より


関連ページリンク
世界農業遺産(GIAHS)(農林水産省)
世界重要農業遺産システム(wikipedia)
英語では、Globally Important Agricultural Heritage Systems、略して GIAHS(ジアス)と称するようで、日本語は、当初「世界重要農業遺産システム」、略して「世界農業遺産」となっているようです。


関係者の皆様 お疲れさまでした。
おめでとうございます!!!


次の、祖母傾山系ユネスコエコパーク 登録も是非この勢いで・・。
祖母傾山系ユネスコエコパークの方は、順調にゆけば・・
2016年2月の申請書案、8月に申請書を国内委に提出、9月に国内委がユネスコに推薦し、2017年夏頃に審議、決定される見通しとのことです。


【追記】
今回の件について、該当自治体公式サイト(観光サイト除く)に、何か書かれているかを確認してみました。(発表翌日、12月16日、22時現在の調査)

高千穂町:掲載なし。
五ヶ瀬町:リンクをたどるとfacebookに掲載ありますが、facebookを主体とした五ヶ瀬町のサイトは見辛いです。
日之影町:掲載なし。
椎葉村:掲載あり → 祝!!「高千穂郷・椎葉山」世界農業遺産認定!!
諸塚村:掲載なし。
各自治体、せっかくのPRの機会なのに、タイミング逃してしまい勿体無いです。


農林水産省、2015年の「農林業センサス」(速報値)によると、宮崎県の農業就業人口は4万4747人。前回、10年前の調査から1万2329人減り、1985年から30年で6割以上減少しているという。



【追記】
今回の世界農業遺産認定の件について、後日、河野知事のブログに詳しく書かれておりました。
 

国民宿舎ホテル高千穂宿泊レポート by MORIMORI
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