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九州神楽 ~ユネスコ無形文化遺産登録を目指して~ パンフレット・リーフレット紹介ページ


以下の、宮崎県発行「九州神楽 ~ユネスコ無形文化遺産登録を目指して~」リーフレットは、2019年3月2日「九州の神楽シンポジウム2019」にて入手したものです。
掲載内容は、先々変更になる場合があります。
最新情報は、公式サイト等で再度ご確認をお願いします。

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九州神楽|~ユネスコ無形文化遺産登録を目指して~ 九州神楽|~ユネスコ無形文化遺産登録を目指して~

九州神楽|~ユネスコ無形文化遺産登録を目指して~ 九州神楽|~ユネスコ無形文化遺産登録を目指して~

【1】壱岐神楽いきかぐら
 壱岐神楽は、壱岐の島で大切に伝承されてきた神事芸能で、その記録は1435年(永享7年)に神楽舞人数のことを記したものが知られる。
 毎年、8月と12月に行われる祭礼では、三十五番の曲目すべてを畳二畳の中で舞う。神楽はその規模から「幣神楽・小神楽・大神楽・大大神楽」の4つに分けられるが、大大神楽は最も厳粛なもので、特殊な神事に奏されている。

【2】平戸神楽ひらどかぐら
 平戸神楽は、戦国、御竈祭みかまどまつりの神楽を伝えたことが発祥とされ、現在は24番の神楽で構成されている。全24番の奉納は、毎年10月26日平戸城下・亀岡神社の秋の例大祭でのみ行われる。
 演目の中の「二剣にけん」は、真剣3本を使う祓いの舞で平戸神楽の代表である。
 昭和33年に地元の有志が「平戸神楽振興会」を設立し、神楽の振興・保護育成・後継者の訓練などを行っている。

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【3】五島神楽ごとうかぐら
 五島神楽は、室町時代後期に今の神楽の原型が生まれたとされ、400年以上の伝続がある。五島市の「福江神楽」「岐宿神楽」「富江神楽」「玉之浦神楽」、新上五島町の「有川神楽」、「上五島神楽」、佐世保市宇久町の「宇久神楽」の7つの神楽を総称して「五島神楽」と呼ぶ。
秋の例祭で奉納されることが多く、各地域色を取り入れた独特の演目がある。
【4】球磨神楽くまかぐら
15世紀の神楽記録がある。人吉市と球磨郡内の43の神社で、大祭の御夜(宵宮)に奉納される。10月8日に人吉市の青井阿蘇神社から始まり、12月5日の水上村の市房山神宮で終わる。各神社の神職による神楽であったが、昭和37年に神職と氏子によって球磨神楽保存会が結成され現在に至っている。直面の採物舞が中心で、足拍子や楽板使用も特色である。

【5】豊前神楽ぶぜんかぐら
 豊前神楽は、旧豊前国内で神楽を伝承する福岡県の34団体と、大分県の5団体により構成されており、春と秋に奉納が行われる。起源は明確でないが、江戸時代の初めには記録に現れてくる。
 鬼役の「駈仙(御先)みさき」が登場する演目などに特色がある。湯立ゆぼこ神楽として斎鉾と呼ぶ10メートル程の柱に登る所作や火渡りといった修験道の影響も見られる。

【6】御嶽神楽おんだけかぐら
 豊後大野市清川町に伝わる神楽で、15世紀半ばに創建された御嶽神社に奉納されたのが始まりと伝える。大分県南部や熊本県阿蘇地方には、この神楽を祖型とする大野系岩戸神楽が広がっている。
 記紀神話の内容など33番の演目を伝え、激しい動きの勇壮な舞は多くの人を引きつけている。

【7】高千穂の夜神楽たかちほのよかぐら
 秋の新穀収穫を喜び、翌年の豊作を祈願する招魂・鎮魂から生まれた霜月の里神楽で、11月から2月にかけ30余の集落で氏神祭として催行される。
 現存する古文書・神楽面から、鎌倉・室町期にはすでに宮神楽として舞われ、江戸後期に民家を神楽宿とする里神楽に移行している。舞は式三番・よど七番・岩戸五番と称される願神楽・岩戸神楽を中心に33番で構成されている。

【8】椎葉神楽しいばかぐら
 椎葉村には、26ケ所の集落に神楽が伝承されており、それらを総称して「椎葉神楽」と呼ぶ。集落毎に11月中旬~12月下旬にかけて夜通し行われ、村人にとって1年を締めくくる大切な祭りである。
 集落ごとに舞や衣装、太鼓の調子も多種多様であり、「狩猟神事」が織り込まれていることや、「神仏混淆」の唱教が多く残っていることが特徴である。

【9】米良神楽めらかぐら
 銀鏡神楽は、毎年12月に西都市の銀鏡神社大祭で奉納される33香の夜神楽で、「米良神楽」の名称で国の重要無形民俗文化財に指定されている。
 屋外の神屋こうやには、古くからの狩猟文化として猪の頭などを供える。演目には銀鏡各集落の神を迎え、その神が着面しての「降居おりい」の舞、赤子をあやす「子すかし」、狩りの所作を演ずる「ししとぎり」などがある。

【10】高原の神舞たかはるのかんめ
 高原町には「祓川神楽」と「狭野神楽」が伝承されており、その2つを総称して「高原の神舞(かんめ)」と呼ぶ。旧薩摩藩の神舞を現在に色濃く残しており、真剣を便った演目が多く修験道の影響を受けていることが共通の特徴である。
 祓川神楽の真剣を持ち大人数で尭う「十二人叙」や狭野神楽の酒を飲みながら舞う「御酔舞」など、それぞれに独特な演目が伝えられている。

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九州の神楽を世界へ


神楽と日本の伝統芸能

 神楽は、平安時代には存在が確認できる神事芸能で、神を迎えてその場にいる人たちに力を授けたり、災厄を祓ったりするための舞楽です。岩屋に籠もったアマテラスの出現を願い、岩屋戸の前で行われたアメノウズメの舞が、その始まりといわれています。
平安時代の宮中での神楽が、その後、民間でも行われ、全国各地に広がりました。文化庁などの調査からは、現在、全国に伝えられる神楽の数は5000を超えており、まさに日本を代表する芸能ということができます。
 神楽には、古事記や日本書紀にある「記紀神話」に加え、各地でまつられる神々の「地域神話」が舞として登場します。また、稲作や狩猟、漁業などの生業とも結びつき、地域の特色が盛り込まれ、多様性に富んでいます。世阿弥は、申楽(能楽)は神楽がもとであるといい、また、能楽の「式三番」という様式が神楽にもあり、両者には結びつきがうかがえます。神楽には生活を演劇化した狂言的な演目もあり、その継承過程で人々が新たな文化を創造し、現在の姿になったといえます。

神楽のユネスコ無形文化遺産登録に向けた取組

 ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)が2003年に採択した「無形文化遺産の保護に関する条約」(無形文化遺産保護条約)に基づく「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に記載されたものをユネスコ無形文化遺産と通称しています。現在この条約は世界約180か国が締結しています。日本の無形文化遺産で代表一覧表に記載されているものは21件(2018年5月現在)。過疎化や高齢化による後継者不足により、神楽の・保存継承が容易なものではなくなってきている今、ユネスコ無形文化遺産に登録されることにより、その保護の重要性に関する意識を高めることが必要となっています。
 神楽としては、2009年に早池峰神楽(岩手県)が、2011年に佐陀神能(島根県)がユネスコ無形文化遺産に登録されています。九州の神楽ネットワーク協議会は、この2つの神楽を含めた形での「神楽」として、ユネスコ無形文化遺産登録を目指した取組を進めています。

九州の神楽ネットワーク協議会

 九州の神楽ネットワーク協議会の会員相互の情報交換や交流を通して、九州の神楽の保存・継承及び情報発信を推進します。会員は、国の重要無形民俗文化財に指定されている九州の神楽保存団体(10団体)です。情報発信や連携を深めながら、ユネスコ無形文化遺産登録を目指し、年に1度の協議会開催や、ニューズレタイ九州神楽ねっと」の定 期的な発行等を行っています。


内容は 発行時点のものであり、先々変更になる場合があります。
最新情報は公式サイト等でご確認をお願いします。


「九州神楽 ユネスコ無形文化遺産登録を目指して」リーフレット




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